ロボットには停電に備えてバッテリーが搭載されていますので、そのまま継続して手術を行うことができます。
ロボットで1番心配されるのが勝手にロボットが動き出してしまうことですが、こちらについてはメーカーが何重にも予防策を講じています。
万が一の際もボタン1つですべての動きを停止することができるようになっています。
2億5000万円程度です。
またロボットの先端に付いている鉗子(かんし)は1つ20~50万円程度で、10回程使用することができます。
ベテランの外科医の手の動きを記録して定型的な手術はボタン1つでできるため、そのような時代がくると思われます。
既に20年ほど前アメリカで、パリにいる患者さんの胆石の手術が行われたことがありました。現在では行っておりませんが、技術的には可能です。
日本では僻地などでの遠隔手術を可能にするために、日本外科学会が探査的研究をしています。
経験の多い施設や、ホームページ上で成績を出しているところを選んで比較してみてください。
胃癌に関しては術後の合併症や根治率において腹腔鏡手術よりも有利であり、食道癌においては術後の排煙合併率が低下するなどの報告ありますが、今後の検討が待たれるところです。
大腸切除の場合、直腸切除並びに結腸悪性腫瘍切除は保険治療で、患者さん負担は腹腔鏡手術と同等か、在院日数が少なくなる場合、費用は少なくすみます。
直腸切除の場合、一般的には、開腹移行率、術中出血量、在院死率、術後在院日数が腹腔鏡手術と比べて減少します。
結腸切除の場合は、開腹移行率の減少が見られます。欠点は手術時間が長くなることです。
開腹手術よりかなり長くかかります。腹腔鏡に比較してもやや長くかかることが多いです。
膵臓に関してですが、ロボット手術が特に危険性が高いということは言われておりません。ただし、ガイドラインでは症例数の多い施設で手術を受けることが推奨されています。
ロボット手術で治療をされた中咽頭がんの患者さんは、従来の手術に比べて治る確率が高いことが海外で示されています。また国内でも、ロボット手術のほうが従来の手術に比べて高い確率で咽頭がん・喉頭がんを完全摘出できることが示唆されています。ただし、ロボット手術の適応となるのは早期がんであり、全ての咽頭がん・喉頭がんがロボット手術の適応になる訳ではありません。
一般的に、甲状腺の手術は頸を切開して行いますが、甲状腺の病気は女性に多く、手術後の創が外から見える場所にできることが問題となります。甲状腺のロボット手術では、腋の下を切って、その部分から手術を行いますので、創口が見えないところに出来るのが最大のメリットです。また、手術後の入院期間は従来の手術と比べて若干短い傾向にあり、また痛みも少ない傾向にあります。デメリットとしては、首を切る場合に比べて手術の範囲が広くなること、自費診療のため高額になることが挙げられます。合併症の起こる頻度は、従来の手術とロボット手術で差がないとされています。
国内では藤田医科大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科(愛知県)ニューハート・ワタナベ国際病院(東京都)で実施しています。
ロボット手術も腹腔鏡手術ですが、従来の方法に比べ鉗子の操作性が優れていることから、特に難しい腹腔鏡手術に適していると言われています。
腹腔鏡手術が保険適用な術式の大部分はロボット手術も保険適用になっていますが、保険適用となっていない一部の術式は自費診療となります
ロボット支援手術では開腹手術に比べ、術後の尿失禁の回復が早い傾向が認められています。
また、神経温存手術が可能な場合、男性機能についても手術前の機能良好な方では機能回復率は比較的良好です。
入院期間は2−3週間で、尿路変更術(回腸導管または代用膀胱)の術式により差異があります。
また、術後の生活では回腸導管ではストマのため、集尿パウチの装着と定期的な交換(2-3回 / 週)が必要です。
代用膀胱では集尿パウチは不要ですが、術後当初は膀胱容量が小さいため尿失禁があり、残尿量によっては自己導尿や定期的な洗浄も必要となります。
弁形成術は保険診療です。具体的には僧帽弁閉鎖不全症に対するものと、三尖弁閉鎖不全症に対するものがあります。
また、令和6年より弁置換術も保険適用となりました。
ほとんどの病院で行われている心臓ロボット手術は5センチ程度の小切開手術を組み合わせて行っています。
ロボットを使わない小切開手術とあまり変わりません。
本来はロボットの強みを生かして小さい穴だけで手術をすることで、ロボットの良さが生かされますが、そのようないわゆるキーホール手術を行っている病院は日本では1カ所だけです。
胸に大きな傷をつけずに小さい傷で手術を終えることができます。痛みも出血も輸血も少なくすることができる点は大きなメリットです。
デメリットは手でやるよりも時間がかかるため、心停止時間が長くなることがほとんどということです。心臓手術で時間が長くなればリスクは必然的に上がっています。
従来の胸腔鏡手術に比べ鉗子の操作性が優れていることから、より繊細な手術を実現すると共にリンパ節をより多く廓清できるという報告があります。
より繊細な手術が可能で、開胸移行の割合が低いとの報告があります。一方、触覚がないため、強い力が胸腔内にかかることがあり、注意が必要な場合があります。