手術支援ロボットとは

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手術支援ロボットとは
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ロボット手術動画(消化器外科)

絹笠祐介 東京医科歯科大学消化管外科学分野

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ロボット支援手術は、医師がロボットアームを操作し、少ない切開で精密な内視鏡手術を行う方法です。
ロボットが自己操作するわけではなく、医師の技術を補助する役割を果たします。

1.ロボット手術の概要

ロボット支援手術とは、医師が専用の操作台でロボットアームを遠隔操作し、わずかな切開からカメラや鉗子を挿入して行う内視鏡手術です。ロボットが自動で手術するわけではなく、医師の繊細な技を助ける道具として活躍します。こうした手術では、病変部を拡大しながら正確に処置できるため、傷も小さく、患者さんの負担を軽減できることが特長です。近年は多くの診療科で保険適用が拡大し、治療の選択肢が増えています。

2.広がる適応疾患

適応疾患は前立腺がんなどの泌尿器疾患に始まり、胃や大腸のがん、子宮の病気、肺がんや心臓手術などにも広がっています。米国では前立腺手術の大半がすでにロボット支援で行われ、日本でも保険適用の拡大とともに症例数が急増中です。こうした分野横断的な普及によって、患者さんの身体的負担がより軽減される選択肢が増えています。近年は術後の生活の質が向上した事例も多く報告され、さらに期待が高まっています。

3.ロボット手術の主なメリット

最大のメリットは切開が小さいため痛みや出血が少なく、回復が早いことです。高精細な3D映像と多関節アームで、狭い場所でも正確で繊細な操作が可能になります。術後合併症が減り、社会復帰も早まりやすい特徴です。また、立体視や多彩な器具で医師の視野が大きく広がり、傷跡も小さいため見た目の負担も軽減されます。こうした利点から、前立腺がんや消化器がんなど多くの分野でロボット手術が選択されるケースが増えています。